04.23.22:20 [PR] |
07.17.23:39 諸事情が、ハイ。 |
ぐ… ひ、 ッッ …
修行をサボったあの馬鹿の気を探していたら、何処からか、かすかに、そんな音が聞こえた。
――何をしてるんだ。
気配を消して地上に降り、ゆっくり静かに近づく。
姿が見えるところまで来て、それ以上進めなくなった。
道が塞がれているなどいう物理的なものではない。
ただ、目の前の光景は、俺の侵入をことごとく拒んでいるようだった。
「…ぐ、ん゛ぁ …ヒッ クソ、 ッッ…」
―― ぐッ!
瞬間的に流れ込む感情に目眩がした。
[くそ…クソクソ くそくそクソクソくそクソ]
具体的なことは何も伝わってこない。
ただただただ、悔しい、という感情だけが。
情けない耐えろ絶えろたえろたえろたえろ……
「…。」
一瞬、自分と似ているなんて、俺は絶対思ってない。
思ってない。
とりあえず。
今日は見逃しておいてやる。
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